【設備メーカ】組み立ての仕事を元設備メーカエンジニアの僕が具体的に解説

仕事

こんにちは。コッジです。

組み立ての仕事が気になる人
組み立ての仕事が気になる人

設備メーカの組み立ての仕事ってどんなことをするの?

未経験だけど、大丈夫かな?

設備メーカが気になる人
設備メーカが気になる人

そもそも設備メーカーってどんな会社なの?イメージが湧かないや

こんな人に向けた記事です。

この記事を書いている僕は、大学卒業後、設備メーカへ就職し、2年半働き、その後転職し、今は生産技術として働いています。

仕様を受け取り設備を作る側から、仕様を考え依頼し作ってもらう側になりました。

この記事では、就職や転職先を探している人に向けて、以下の内容で解説していきます。

この記事でわかること

  • 設備メーカってどんな会社か
  • 組み立ての仕事内容
  • 組み立ての仕事に向いている人

しばしお付き合いくださいm(_ _)m

設備メーカってどんな会社

会社の画像

設備メーカとは、設備を作って販売している会社です。

設備とは、鉄などを加工する工作機械や、溶かすための溶解炉から、車を組み立てる製造ラインなどを総称して設備と呼びます。

組み立てる設備も様々で、小型製品(電子部品など)であれば、設備も自分の背丈くらいのサイズ感であったり、プラント関連(施設規模)のものまであります。

この記事では製品を加工、組付けを行う設備について綴っていきます。

設備メーカの特徴

この記事では2つの特徴を紹介します。

設備メーカーの特徴
  • 汎用設備型
  • オーダーメイド型

それぞれについて説明します。

汎用機(単体機)

製品ラインナップを揃えており、その中から客先に選んでもらうタイプです。

特徴として、自社で設計・開発が完成すれば、同じ設備を作って販売します。

多少の仕様変更に対応する場合もありますが、お客さんの仕様に合わせ、1から設計をするといったことは少ないです。

汎用機の場合、図面は1度完成すれば不具合の修正程度で、組み立てる側も同じ手順で組付けを行えば良いので、製作にかかる時間が少ないです。

※2022年6月時点は、半導体等が不足している影響で、設備の組立に必要な機器が揃わず、製作に時間がかかってしまうといったこともあります。(例:通常2ヵ月で完成→6ヵ月かかってしまう感じです。)

オーダーメイド(ライン)

客先から受けた仕様を満足する設備を設計から行い、オリジナルの設備を作るタイプです。

特徴として、客先の仕様ごとに異なる設備を作ります。

組み立ての仕事で難易度が高いのはオーダメイドで設備を作る場合です。

マニュアルなどが存在しないため、経験を積んでいく必要があります。

コッジ
コッジ

僕が新卒で入った会社はオーダーメイドで設備を作ってました。(車関係の設備でした)

製造ラインを丸っと受け持っていたのですが、同じラインを作るといったことは無かったです。

作る設備によって、発生する不具合も違うので、製作に時間がかかるのも特徴です。

組み立ての仕事内容

組み立ての仕事の画像

組み立ての仕事内容を知る前に設備メーカの仕事の流れを確認します。

設備メーカの仕事の流れは以下です。

設備メーカ内容と流れ
  1. 仕様の打ち合わせ
  2. 見積の作成
  3. 客先から発注
  4. 設備設計
  5. 設備の組み立て
  6. 試運転、調整
  7. 客先立ち合い(仕様のチェック)
  8. 指摘内容の修正、追加要望があればその対応
  9. 客先の工場へ設備搬入+据付
  10. 試運転、調整
  11. 引き渡し
  12. アフターサービスなど(入社する会社による)

この中で、組み立てが受け持つ範囲は5~11です。

それぞれどんなことをするのか、何に気を付けるべきかを解説します。

設備の組み立て

加工された部品や、センサーなどを図面通りに組付けを行います。

設備の組み立てのポイントは以下です。

  • 図面を読めるになる必要がある
  • 組み立てに必要な部品や購入品(センサー等)が揃っているかチェックが必要
  • 工具の使い方を覚える

未経験の場合、図面を読めるになる必要がある

設備の完成図面は非常に複雑でわかりづらいです。

まずは、図面の見方を覚えないと、どこに部品を組付ければ良いかわからないからです。

最初は、ややこしくて図面を見るのが嫌だと思う時があるかもしれませんが、図面の読み解きは慣れれば誰でも読めるようになります。

組み立てに必要な部品や購入品(センサー等)が揃っているかチェックが必要

組み立ての仕事は、図面通りに設備を組むことです。

モノが揃っていないと完成しない=機能を果たすことができなくなるため、組み立てを行う前には必ず必要な部品が全て揃っているかチェックが必要です。

工具の使い方を覚える

六角レンチやスパナ、ニッパーなど、普段生活していて使ったことがある工具は多いと思います。

しかし、設備を組み立てるためには、専用の工具を使ったり、オリジナルの工具を自作したりする場合があります。

コッジ
コッジ

設備メーカ時代は、廃材などを使って、オリジナルの工具を作ってました。

例を挙げると、狭い個所のノックピンを叩けるように長めにカットした丸棒を焼き入れしたり、

逆にピンを抜くためのピン抜きを旋盤や溶接機を使って作ったりしてました。

仕事の経験年数が増えていくと、状況に応じて必要になる工具がわかってきます。

先輩や上司が持っている工具を見せてもらったり、教えてもらうと良いです。

試運転、調整

設備が組みあがったら、試運転をして、設備の調整を行います。

試運転、調整のポイントは以下です。

  • 部品を取り外して、修正する場合がある
  • 試運転は1発でうまくいくことはない

部品を取り外して、修正する場合がある

設備を組み立てている段階では、問題なくても、いざ試運転をしてみると新しく不具合が出ます。

特に、ロボットなどと連携した設備を作る場合は、ロボットハンドが干渉してしまうことがあるので、部品を取り外して加工を行うなどの対応が必要になります。

試運転は1発でうまくいくことはない

僕の経験にもなりますが、試運転をして1発でうまくいくことはありません。

部品や機器を組み立てるだけではなく、配管や配線、設備を動かすためのプログラムが合わさって初めて、目的を果たす為、非常に複雑な構成をしています。

試運転の目的は、ミスや不具合の洗い出すことでもあるので、その都度修正していけば良いです。

客先立ち合い(仕様のチェック)

設備を発注したお客さんが来社し、進捗・設備の出来栄えの確認に来ます。

客先立ち合いのポイントは以下です。

  • 指摘を受けたり、仕様が増えるのは当たり前
  • お客さんの立ち合い回数や時期は様々

指摘を受けたり、仕様が増えるのは当たり前

お客さんが来社する目的は、発注した仕様通りに設備が出来上がっているかどうかの確認です。

設備をより良くする為、注文を出すことが仕事の為、立ち合いの際には「ここを直してくれ」「この機能も追加してほしい」と指摘や追加で仕様が増えます。

コッジ
コッジ

設備メーカ時代の僕は、お客さんが来るたびに仕事が増えるので心の中ではサッと見てサッと帰ってくれって思ってました(笑)

お客さんの立ち合い回数や時期は様々

お客さんが立ち合いに来る時期、回数は様々です。

また、立ち合いに来る人数も違います。

担当者が1人で来る場合もあれば、複数の部署(生産技術、工機部、保全部等)のメンバーの場合もあり、厄介なのは、偉い人(管理職の人)が来るときは、すごく緊張します。

指摘内容の修正、追加要望があればその対応

立ち合いでお客さんから受けた指摘内容や、追加要望への対応を行います。

簡単に終わるものもあれば、部品の作り直し(再製作)や使用機器の変更と様々です。

客先の工場へ設備搬入+据付

完成した設備をお客さんの工場へ搬入し、据付を行います。

会社により、搬入、据付は外注化していたり、自分たちで行ったりする場合があります。

大体はトラックに載せて送った設備を、フォークリフトで搬送し、所定の位置へ設置します。

その後、移設等がなく位置が決まっているのであればアンカーボルトを打って据付を完了させるといった流れです。

試運転、調整

設備をお客さんの工場へ搬入、据付後は再度試運転と調整を行います。

自社で完璧に設備を仕上げたとしても、再度設置をすると、位置が微妙に違ったり、トラック内での揺れたことで、故障したりといった場合があるからです。

また、ラインモノの場合は、前工程の設備や後工程の設備とのワークの搬送調整なども必要にあります。

設備の引き渡し

試運転を重ねて、お客さんからOKが出れば、設備を引き渡して、仕事が完了します。

この時に、不具合の一部が直っていなかったり、仕様の追加がある場合は、後日、客先に行って改造を行うこともあります。

組み立ての仕事に向いている人

組み立ての仕事の向き、不向きの画像

どんな人が組み立ての仕事に向いているか、僕の経験を元に考えた結果が以下です。

どれか一つでも当てはまれば良いです。

組み立ての仕事に向いている人
  • 細かいことに気が付く人
  • 機械をいじることが好きな人(プラモデルやDIYなど工作が好きな人)
  • 物の管理や、日程などの管理ができる人
  • 人と話すことが苦手じゃない人

細かいことに気が付く人

設備の組み立てを行う上で、細かいことに気が付くことは大事です。

試運転などで、設備を動かして問題無いように見えても、どこか擦れていたり、削れていたりする場合があります。

このように細かいところに違和感を覚えて、気が付くことはとても大事なことです。

機械をいじることが好きな人(プラモデルやDIYなど工作が好きな人)

機械をいじったり、プラモデルなど何かを作ることが好きな人にとって、組み立ての仕事は転職だと思います。

組み立ては図面に書いてあるものを具現化する仕事だからです。

機械いじり等が好きであれば、仕事自体に苦手意識も持つことなく、仕事を覚えるスピードも速いため、是非組み立ての仕事にチャレンジしてみてください。

物の管理や、日程などの管理ができる人

組み立ての仕事である程度年数が立つと、メイン担当者となったり、リーダ的役割が求められるようになります。

自分で組み立て作業を行うこともあるでしょうが、その設備の全体を把握し、進捗や不具合内容などをまとめるといったプロジェクトの進行役としての仕事を行う時があります。

その時の為にも、部品や機器が揃っているのか、不足しているものはいつ揃うのか、不具合内容はいつ直せそうか、今の仕事の進捗は全体日程のどの段階なのか、といったことを普段から意識していると良い練習になります。

物の管理で言えば、自分の仕事道具である工具の管理はしっかり行うことが大事です。

工具が無くなると、仕事が進まなくなるので、注意しましょう。

コッジ
コッジ

入社して1年目の頃は、工具を出しっぱなしにして、スパナや六角レンチが気づいたら足りないってことが多かったです。(お恥ずかしいです)

「使ったらしまう」のは大事です。

人と話すことが苦手じゃない人

コミュニケーション能力は組み立ての仕事では必要無いイメージかもしれませんが、そうではありません。

組み立ての仕事は、営業の人よりも、お客さんと直接話す機会が多いです。

設備の立ち合い時に質問や、設備を実際に動かす役割であったり、お客さんの工場へ設備を搬入・調整を行う際には、進捗の報告や不具合の内容、時には、次の仕事の依頼をされるといったことがあります。

雑談などを求められるわけではないので、仕事の進捗報告などをしっかり伝えるようにすれば良いです。

最後に:組み立ての職場について余談

設備メーカの組み立ての仕事を解説しました。

組み立ての仕事は多くの知識や技術を身につけることができます。

メーカで働いたことがなかったり、未経験の人でも比較的チャレンジしやすい仕事です。

少しだけ僕の前の会社のことを話すと、組み立ての職場には、元営業マン、車の整備士、元教員、元旅行会社、などいろんな人が働いていました。

いろんな経験を聞けたのも楽しかったですが、お客さんの工場へ出張していくので、いろんな場所へ行けたのも出不精な自分にとっては楽しい経験でした。

コッジ
コッジ

人生初の海外は、仕事で行きました。

ちなみに英語は全く話せないけど、何とかなります!

組み立ての仕事に興味がある人の参考になれば幸いです。

それでは!

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